スノーボードWAX☆実はこれしか使ってなかったって言うお話し。

snowboard

みなさん、スノーボードのホットワックスってしっかりやっていますか?昔に比べると、かなり浸透して来たホットワックスですが、

・面倒くさいし。

・色々種類があってわからないし。

・ゲレンデ着いたら、天気予報と違うコンディションでワックス外してるし。。。

なんて事も結構あったりしますよね。

ホットワックスの塗り方や、温度帯やフッ素など色々と質問いただく事も多い、スノーボードワックスですが、今日は、僕の経験も含めて、元スノーボードトップアスリートはどんなワックスをどの様にして使っていたのか?をテーマにご紹介して行きたいと思います。

スノーボードWAX

実はこれしか使ってなかったって

言うお話し。

結論から言いますと

固めのパラフィンワックス、ベースワックスと言われているワックスだけをシーズン、オフシーズン通して、国内、海外問わず使ってました。

・そもそもワックスを塗るという概念

そもそも、ワックスを塗るという概念について考えて見ましょう。

・ソールを酸化から守る為。

・スピードを保つ為。

・誰よりも早く滑る為。

・誰よりも高く飛ぶ為。

などなど。

まぁ、人によって違ってくると思うのですが、

僕が考える、ワックスを塗る概念は、

ボードを走らせる為にワックスを塗るのでは無くて、ミスを最小限にする為にワックスを塗る。と言う考えなんですよね。

元々パイプのプロアスリートなので試合の時は、毎回完璧に滑る事を目標にしますが、中々そうは行かないんですよね。その日のコンディションで全く変わってくるし、ファーストヒットからボトムに落ちてしまう事も結構ありました。でも、もしこの時にボードが走ってくれれば、ミスをカバーして、最後まで滑り切る事が出来、得点に繋がる。ボードが走らなければ最後まで滑る事が出来ずに、得点も出ないので、結果負けてしまう。と言う考えの元にワックスを塗っていました。

実はこの考え方、当時、ムラサキスポーツ本社のチームマネージャーをしていた、皆さんご存知の方も多いと思いますが、東京オリンピックスケートボードの日本チーム監督の西川さんから教えてもらった考え方なんですよね。

ボードを走らせるのは自分。ワックスでボードを走らせるスキルしかないライダーはボードをコントロール出来ないから、ボードが走った時に飛びすぎて自爆して行くよ。と教わってから、変わらずにこの概念でスノーボードワックスを塗っています。

ですので、毎回練習で完璧にボードが走らなくても良いですし、走らないなら走らせるスキルを身に付ければ、OKって事になるのでワックスも温度帯など気にせずに固めのパラフィンワックスを塗っておけば大丈夫と思ってました。

・日本の雪の特徴とワックス

 

次に、日本の雪質の特徴についてですが、日本の雪質は、かなり水分が多く、海水が巻き上げられ、上空で冷やされて降ってくるので塩分が含まれている。さらに真っ白で綺麗に見える雪も、実は汚れが沢山含まれているのが特徴です。さらに黄砂や排気ガスなども含まれるので、ソールもかなり汚れます。ボードの滑走性を落とすのは、この汚れが原因になる事が多いと考えられます。ですので、汚れを出来るだけ無くす考えの元で、固めのパラフィンワックスは非常に理にかなう事になります。

・春先の雪質とワックス

先ほどもふれましたが、春先は、黄砂や花粉が雪に混じり雪自体も汚れています。春は、柔らかめのワックスを使うと言うのが定説になっていますが、実は、柔らかめのワックスは汚れを吸収してしまい、最初は良く走るのですが、すぐに汚れてしまうと言うデメリットがあります。滑走性を落しているのは、汚れなので、僕や周りのプロたちは、あえて逆ワックスとして、春先や汚れたコンディションの時こそ、固めのパラフィンワックスを使っていました。

・海外の雪質の特徴とワックス

海外でも、実は固めのパラフィンワックスを使用していました。海外のゲレンデは、シーズン初めに降雪機でガンガン雪を作るゲレンデが多く、雪の粒子も大きくてソールに引っかかりやすいんですよね。さらに、標高も高く、気温も低いので、硬めのパラフィンワックスが非常に良く走るんですよね。試しにフッ素を塗った事があるのですが、全然走らなかったですね。逆に抵抗になってしまう結果になりました。国内は、湿気の多い雪質が多い事からどうしても国産ワックスは、フッ素が入ってるメーカーが多く、海外に行くと日本と同じ感覚でフッ素を入れて何回も失敗した経験を持っています。最後は怖くて海外でフッ素は使えなかったのを覚えています。ですので、海外でも、硬めのパラフィンワックスを使用していました。

・オフシーズンの室内ゲレンデ

オフシーズンの室内ゲレンデは、主にカムイ御坂での滑走が多かったのですが、やはりクラッシュスノーでどうしても汚れが酷く、更に、硫安ガッツリ巻いているコンディションなので、汚れにくいを最優先に硬めのパラフィンワックスを使用して見ました。

ここでも、実は色々試した事があって。。。

全くオススメしませんが、ガラコは結構走りますよ。思いっきりフッ素ですが、休憩毎に塗り重ねて滑っていた事もありました。

でもソールも酸化するし、良い事無いので、

硬めのパラフィンワックスがベストだと思います。

試合はコンディションに完璧に合わせて使う。

試合だけは、コンディションに合わせてワックス塗っていましたね。

勿論、硬めのベースワックスを塗ってから、当日の天気、気温、雪質を考慮し更に、滑走直前に秘密の粉と言われるフッ素やグラファイトを塗って対応していました。時には、ボードのヒールとトゥーエッジのソールで使用するワックスを変えたりした事もありましたね。フロントの壁に日が当たって雪が柔らかかったら、トゥーには柔らかめのワックスに高フッ素を塗り、バックサイドの壁は日陰で硬い時は、硬めのワックスを塗る。みたいな時もありました。

公開練習ではワックスを軽く剥がしておき、本番の時にワックスの膜が一番薄くなり、走る状況を作るチューニング。なんて事もありましたね。

ここは、深掘りして行くとコア過ぎてしまうので、また機会を作ってお話できればいいなと思います。

まとめ

 

結局、一年通して硬めのパラフィンワックスを使えばOKですよ!と言うお話でしたね。ソールの酸化も防げるし、硬いワックスを繰り返し使う事によりソールもしっかり育っていき、どこでもある程度の滑走性を維持出来ると言う事だと思います。ワックスって、僕はサポートしてもらえていたから沢山の種類のワックスを使用する事も出来ましたが、一般のスノーボーダーが、いろいろな温度帯を揃えるとなると、結構な出費になりますよね。なので、普通に楽しみながら滑るのであれば、硬めのパラフィンワックスで十分だと思いますので、試して見てください。

僕が使っていた、今でも使っているワックスはこちら




タイトルとURLをコピーしました