セルフマネージメントで子どもは強くなる|勝てるキッズアスリートの育て方【勝つための定義と親のサポート法】

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セルフマネージメントで子どもは強くなる|勝てるキッズアスリートの育て方【勝つための定義と親のサポート法】

「うちの子をもっと勝たせてあげたい」「頑張っているのに、結果がついてこない」

スポーツに真剣に向き合うお子さんを持つ親御さんなら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。

私は元プロアスリートスノーボーダーで、現役引退後はまったくの未経験だった「柔道」で、長男・長女を東京都の強化指定選手に育てました。長男は国際大会で全試合一本勝ちで優勝という結果も出しました。現在、一番下の娘、次女も小学2年生ですが、同じプロセスを実行しています。

その背景には、技術や体力だけでなく「セルフマネージメント」の育成と、それを可能にする明確な勝利への定義・戦略・戦術・検証プロセスがありました。この記事では、そのステップと考え方を、親御さんにも実践できる形でお伝えします。

結論(Point

子どもが勝てる選手に育つには、まず「勝つための定義」を共有し、戦略・戦術を親子で一緒に考えることが重要です。そのプロセスを通して、セルフマネージメント力が育ち、結果につながっていきます。

理由(Reason

1. 「勝つために必要なこと」を言語化して共有する

多くのご家庭では「とにかく頑張れ」「もっと練習しよう」といった曖昧な指示になりがちです。しかし、子どもが納得し、主体的に努力するには、「なぜ?」「どうやって?」という明確な定義が必要です。

我が家ではまず、「勝つとは何か」を一緒に定義するところから始めました。例えば:

柔道の試合で一本勝ちする

自分から技をかけて仕掛ける

練習でできたことを試合でも再現する

など、勝利のかたちを具体化することで、子ども自身が目指す姿を明確に描けるようになります。

2. 勝つための「戦略」と「戦術」を一緒に設計する

ただ練習量を増やすのではなく、勝ちやすくなる道筋=戦略を立て、それを実行に移す戦術を一緒に考えました。

相手より先に技を仕掛けるには何が必要か?

自分の得意な型や技はどこか?

弱点をどう補うか?

こうした具体的な問いを通して、親子で試合に勝つためのロジックを構築していきました。

3. 「勝つためのマーケティング」=自己分析と競合分析

スポーツにもマーケティング的な視点が必要です。

自分の強み・弱み(=商品分析)

対戦相手の特徴(=競合分析)

どのタイミングでどの技を仕掛けるか(=販売戦略)

このように、自分を知り、相手を知り、勝ち筋をつくる思考が、セルフマネージメントの核となります。

実例(Example

では、我が家の具体的な取り組みを紹介します。

ステップ1:「勝つとは何か?」を一緒に定義した

ただ漠然と「強くなれ」と言っても子どもは動きません。だから、最初に長男・長女と一緒に**「勝つ=どんな状態か」**を明確に言語化しました。

一本で勝つこと

技を出し切って負けないこと

悔いのない準備ができたこと

この定義を共有することで、練習の意味が明確になり、日々の行動にも目的が生まれました。

ステップ2:戦略・戦術を一緒に考えた

長男は左組で、相手も左組の「相四つ」が苦手でした。そこで、相手の癖・自分の形・仕掛けるタイミングを一緒に映像で分析し、技術指導は先生にお願いしつつ、勝ちやすい型へイノベーションしていきました。

長女はどこに行っても学年で1番身長も体重も小さくて軽いフィジカルです。柔道選手として1番向いてないフィジカルですが、これを逆に考えて、力で勝負するのではなく、組み手で相手に持たせないで、自分から先に技をかけて、投げれなかったとしても、寝技で勝負する。抑え込めなくても、指導差や旗判定で勝つと言う、超攻撃柔道の戦略、戦術で試合を自分が支配する自分の柔道の形を作りました。

ステップ3:マーケティング的な分析も取り入れた

試合前は、相手選手の組み手を右か左かリサーチし、打ちこみなどをみて持っている技もリサーチして、手技の選手なのか足技の選手なのか、癖を一緒に確認し、自分との相性を予測しました。これはビジネスでいう「市場調査」に近いものです。

ステップ4:毎日の練習を映像で記録・検証

練習はただやるだけでなく、動画で確認しながら、戦略通りに動けているかを検証。小さな修正を繰り返すことで、「考えて行動する習慣」が根付きました。

ステップ5:結果につながった

こうした積み重ねの結果、2人とも東京都強化指定選手に。長男は国際大会で、全試合一本勝ちという結果を残しました。これは「才能」ではなく、戦略的なセルフマネージメントと、親の伴走による環境設計が生み出した成果だと確信しています。

提案(Proposal

では、今日から家庭で取り入れられる具体的な行動ステップを3つご紹介します。

1. 子どもと「勝つ定義」を一緒に作る

どうなったら勝てるのか?

どんな試合運びが理想か?

紙に書き出して、目に見えるところに貼るのがオススメです。

2. 勝つための戦略を「問いかけ」で引き出す

どうやったら勝ちやすくなると思う?

自分の武器は何? 相手の弱点は?

親が答えを出すのではなく、子どもが自分で考える機会を作ってあげましょう。

3. 練習の記録・分析を一緒にする

練習の動画を撮って、一緒に見返す

できたこと・できなかったことをメモする

「考える練習」「改善する習慣」はここから始まります。

まとめ

キッズアスリートが勝てるようになるには、親子で「勝つ」を定義し、戦略的に考え、検証する習慣を持つことが不可欠です。それは単なる技術指導ではなく、子どもが自分で考え行動する力=セルフマネージメントの育成でもあります。

柔道は1人では出来ないですし、多くの稽古が指導者のリードによって行われる事がほとんどです。時には、自分に必要な練習とそうではない練習がある場合もあります。

自分軸を持ち、戦略、戦術を元に柔道をする様に育てた長女は、時に、自分に必要ないと判断した練習や技の講習は、本当に適当に練習したり、話も聞いてなかったりしています。なので、みんなからなんで練習ではサボったり、そんなに強くないのに、試合では強いの?と周りの選手や親御さんから言われる事が良くあります。彼女の柔道の定義は試合で勝つ事。練習は戦略、戦術を元に必要な事を反復して精度をあげる、試合の為の準備であるために、練習で強くある必要がないからなんですね。ここでは深掘りしませんが、これはメンタルコントロールにも実は繋がっています。ここのところは次の機会にでもお話し出来ればと思っています。

スポーツは、技術だけでなく「考える力」「整える力」があってこそ、勝利につながります。ある程度の方程式はありますが、年齢や身体の成長、出場する試合のレベルによってセルフマネージメントを見直し、改善して、行動する事は選手の実力に応じて必要となります。この繰り返しが僕自身も実践して来て世界で活躍出来た証拠でもあると思いますし、子供達も結果とともに頑張れているし、これからも目標に向かって頑張っていってくれるのではと考えています。このセルフマネージメントは、スポーツだけではなく、社会に出ても、仕事においても応用が可能なので、一生困らない思考と行動の法則だと思いますし、僕が子育てで大切にしている、自立した人間に成長することを親としてサポートする。と言う前提で自分の経験と知識を元に子供達に伝えて一緒に取り組んでいます。ぜひ、今日から一歩ずつ、親子で取り組んでみてはいかがでしょうか。



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